• 甲字湯

    瘀血を伴う月経異常、婦人科系疾患に
    ◎激しい痛み(刺痛・月経前の痛み)
    経血の色が濃い、血塊が混じる
    ◎のぼせ、頭痛、下肢のむくみ

    このタイプの婦人は、月経前にうっ血を起こしやすく、月経不順や月経痛や経血異常、月経困難などを訴えるのが特徴です。瘀血証を目標に用いる甲字湯は、婦人特有の症状だけでなく、頭痛やのぼせ、肩こり、下肢のむくみ、打撲、しもやけなど、幅広いうっ血の病態に応用できる漢方薬です。

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  • 解説:坐れば牡丹?

    女性の美しさは、花が咲く様子に例えられて「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」と表現されます。その表現を東洋医学的に解釈すると、女性の美容・健康を損じる各々の障害・要素への対処法を暗示しています。例えば、婦人の腹が立つ(お腹の筋肉がつっぱり、へそが立っている)場合には芍薬を、体が坐る(下腹部にある子宮にうっ血があり、生理や動作が停滞している)場合には牡丹を用いて対処しなさい。
    甲字湯や桂枝茯苓丸は牡丹皮を用いた代表的な漢方薬でもあり、その根底には「坐れば牡丹」という考えが、昔も今も根づいている訳です。