• 芎帰調血飲第一加減

    疲れやすく、イライラして、手足が冷える方に
    産後のうつ、精神疲労(気血両虚)
    ◎更年期の神経症
    ◎子宮内膜症、子宮筋腫
    ◎下半身の偏寒、下肢動脈瘤

    産後は瘀血やストレスが溜まりやすく、また疲れやすくなります。芎帰調血飲は本来、産後のあらゆる症状に用いる漢方薬ですが、疲れやすい女性の冷え性、更年期障害、月経不順、頭痛、肩こり、耳鳴り、動悸などの症状にも応用できます。21種類もの生薬から構成されいて、イライラを伴う諸疼痛や子宮内膜症、月経困難症で痛みの激しいもの、ストレスによる背中の痛みにも効果があります。

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  • 解説:芎帰調血飲と神経症

    芎帰調血飲は、産後や更年期特有の神経症によく用います。このタイプの神経症は、子育ての不安や育児による疲労だけでなく、女性自身のホルモンの周期変動や欠落、それに伴う出血や脱力感などの心身疲弊によっても引き起こされます。積極的だった性格が消極的になった(逆にイライラしやすくなった)、体が冷えに弱くなった等々、当人が大きな変化を感じるのも特徴の一つだと思います。
    産後の聖薬ともいわれる芎帰調血飲は、産後のように疲弊した状態を立て直す働きに優れると同時に、血流やホルモンバランスを整えて平穏にする作用を持ちます。また香附子や木香、烏薬など、理気薬と呼ばれる生薬を数多く含む点から、精神面の諸症状にも応用が利きます。とりわけ、婦人の「気が休まらずに精神的にまいってしまう」、「頑張らないといけないのにやる気が起きない」の訴えには、頻出の処方です。