• 半夏厚朴湯

    気分が塞ぎ、よく咳払いする方に
    ◎気分憂うつ、不安神経症
    ◎慢性胃炎、腹部の痞えや膨満、悪心嘔吐
    ◎喉の異物感、息苦しさ、声がれ、後鼻漏

    半夏厚朴湯はの痞塞感や腹部の膨満感を訴える方の、せき・たんを伴う呼吸器疾患や軽度の気管支炎、神経性胃炎、うつ的症状などに用います。これらの症状を訴える背景には胃部に痞えた痰の存在があり、本方は痰の発生を防ぐと共に、緊張で痰が気道に上がるのを抑制します。

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  • 解説:脾と痰湿

    漢方における脾(消化器系)は飲食物から体液を作り出して、全身に運搬する役割を担います。何らかの理由で脾が失調すると体液は正常に運搬されず、淀みを生じてしまいます。そうして起きるのが痰湿です。脾の失調は多くの場合、痰湿の発生を伴います。
    また夏の暑い時期に食欲が減退するように、強い湿気に侵された脾は不調を起こしやすくなります。脾の失調は痰湿を発生させますが、同時に強い痰湿は脾の不調を招く。痰湿の生成と脾の失調はそのような表裏の関係を持ち、痰湿による諸症状の治療は、脾の働き(健脾)の立て直しを介して行われます。