血の道症と呼ばれる女性特有の症状の中でも、月経過多、不正出血のような生理機能の乱れや、月経前症緊張症、更年期障害のような精神面にまつわるトラブルでは、気の変調を伴うのが特徴です。
女性の身体を巡る気には、血行を促して生理機能を適正に保つ、ホルモンバランスや情緒を整える、身体を温めて浮腫を防ぐなど多様な働きがあります。漢方薬を通じて気血を整えることには、血の道症を改善するだけでなく、女性機能の低下を防ぐ、ホルモン分泌を整えて全身の活動力を高める、老廃物の排出を促すといった効果も期待できます。
めまいやのぼせを伴う更年期障害、神経症に
◎めまい・のぼせ・頭痛
◎一貫した精神症状を伴う月経不順
◎産前産後、更年期の神経症・耳鳴り
月経前や産前産後、更年期のタイミングで、めまい・のぼせ・頭痛を伴う神経症に悩まされる方に。元々は戦時中の恐怖、失望など強い神経症状に用いた方剤ですが、血の道症にも高い効果がある為、今日では女神散と名前を変えて女性特有の神経症に広く用いられます。女神散は、気を巡らし、気を降ろし、気鬱を発しながら血熱を冷ます、婦人の精神安定をはかる方剤とも言われます。
【効能・効果】
体力中程度以上で、のぼせ・めまいのあるものの次の諸症:
産前産後の神経症、更年期障害、月経不順、血の道症
漢方の病証の一つに気の上衝があります。食べた物が消化器官を通って下へ向かうように、体内の気も上から下へ流れています。けれど何らかの理由で、気が上へ突き上げることでのぼせやめまい、浮動感、動悸、吐き気、尿不利などさまざまな症状が現れるようになります。女神散も気の上衝に用いる方剤の一つです。
気の上衝は、イライラや精神不安を訴えるもの(気逆)だけでなく、午前中の血圧が低く、貧血を起こしやすい方(心陽虚)の、低血圧症や自律神経失調症にも伴いやすい病証です。
月経過多、反復性の不正出血に
◎繰り返す子宮からの不正出血(脾不統血)
◎心労による食欲不振・元気が出ない(心脾両虚)
◎老人性認知症、物忘れ
帰脾湯はその名の通り、脾の働きを回復して貧血・出血を防ぐ作用があり、虚弱者の心身疲労や不眠、それに伴って現れる種々の不正出血や貧血、健忘症に応用されます。脾虚による出血は、繰り返して起こりやすく淡色で希薄な血色が特徴で、婦人科では平素から虚弱な女性の月経過多や産後疲れによる経血異常によく見られる病証です。
女性特有の症状に用いる漢方薬(気剤)には、他にも次のようなものがあります
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